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ユネスコ運動全国大会

 第80回日本ユネスコ運動全国大会は「持続可能な未来へ~SDGsの先進事例から学ぶ~」を大会テーマに愛媛県新居浜市で11月23日に開催されました。

 大会は主催者や来賓の方々の挨拶などに続いて、住友資料館顧問の末岡照啓さんが「SDGsの先進事例から学ぶ~別子銅山の環境対策から新居浜港CNPへ~」のテーマで記念講演を行いました。末岡さんは先ず別子銅山と住友の歩みから説明。元禄年間に始まった別子銅山は明治に入り採鉱・製錬・運搬の近代化が達成されたことから操業規模の拡大とともに煙害が発生。この環境問題に対処するため損害賠償をするとともに製錬鉱量の削減、稲・麦の開花時期にはさらに削減を実施、その後の技術革新により昭和14年に環境問題は解決した。また荒廃した山には年間100万本多い時には200万本の植林を行うなど100年以上も前に生産制限という考え方を持ち植林や煙害対策を実践した。また新居浜で住友が300年以上も事業を継続できたのは、鉱脈が永遠ではないとの判断から資源産業に代わる事業として港を整備し化学、機械、建設、電力、アルミなどの企業を誘致することで地域社会との共存共栄を実現してきたことが挙げられる。そして長寿企業・組織のSDGsの要件として①環境に敏感であること(技術革新・自然環境・政権交代)②強い結束力(組織内、取引先と地域社会)③寛大であること(意思疎通)④資金調達の保守性の4点を挙げ、未来に対して過去の教えと今を重ね、住友の事業精神の根底である「自利利他公私一如」を受け継ぎ、次の世代に何を残すのかを考えることはまだまだあると提言し講演を終了しました。

 続いて行われた事例発表で、愛媛県立新居浜南高等学校は、1999年に別子銅山の学習を開始し学習成果をホームページで発信するとともに、2006年にガイドブックを発行。小小学生とのフィールドワークや中学校での出前授業などの活動を通じ地域を含めた学びの絆サイクルをつくり、別子銅山の世界遺産登録を目指したいと発表しました。

 新居浜市立多喜浜小学校は、多喜浜地区で古くから行われていた塩づくりを学んだことで、ますます多喜浜が好きになり、また海の生態系を守っていくことの大切さを知りましたと発表。

 新居浜市立惣開小学校は保護者を案内するぶらりウオークガイド、防災訓練と土のうや段ボールベットづくりなどの体験、ペットボトルのキャップ集め、子供服を企業に託すなど地域との「かかわり」・「つながり」を大事にして活動していることを発表。

 新居浜市立船木中学校は準絶滅危惧種「二ホンイシガメ」の保護活動について発表。専門家から学び川での水生生物調査や池の水を抜いての調査などを通じニホンイシガメ以外の生物多様性を知り、境を守っていくことの大切さを知ったと発表しました。

 大会は最後に次回開催地の石川ユネスコ協会の挨拶で終了しました。なお石川大会は10月18日(土)に金沢市で開催されます。

 

 



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