中部西ブロックユネスコ活動研究会in富山
中部西ブロックユネスコ活動研究会は10月19日㈯に「共に生きることを学ぶユネスコ活動の実践!」をテーマに富山市で開催されました。
研究会は開会式に続いて鈴木佑司日本ユネスコ協会連盟理事長が記念講話を行いました。この中で鈴木理事長は今回のテーマの背景は①戦争の問題②災害の激甚化③人口構造の大変動④豊かな国なのに貧しい子供が増えているとし、この4つから共に生きることが難しくなっている。これらにどう立ち向かうか、どれだけ実践できただろうか。今日は改めて大会テーマについて議論するとともに、それぞれが出来る範囲で他人のために行動することを皆さんと共にやっていきたいと話しました。
中央大学教授の手計太一教授が『新しい治水政策「流域治水」から地域の将来を考える』を演題に記念講演を行いました。手計さんは最初に、気候変動や人口減少が続き予算も限られている中では河川の水防と都市づくりを一体化して考えていかなければならない。流域治水の基本的考え方として、土砂災害や流木被害を減らすための森林管理、治水ダム建設や利水ダム貯留水の事前放流、ため池の活用、刈り取りの終わった水田の排水路を利用して危険が予測される河川から水を引き入れる(出来れば収穫時期の同じ品種をまとめることで貯留できる圃場も大きくなり氾濫リスクを下げる事が出来る)、堤防を高くする、リスクの高い地域から低い地域への移転などがある。さらに、上流・中流・下流、河川は大きいか小さいか、近いか遠いか、土地が低いか高いかなど発災確率の違いがある中で流域住民の合意の上である程度の痛みがともなう規制や協力など垣根を越えた流域治水が必要だとのべました。休憩をはさみ平和教育・国際交流、ESD推進、「ユネスコ活動」共創の3部会に分かれての協議と報告などがあり閉会しました。なお次年度の研究会は全国大会開催地の金沢で10月18日に開催されます。