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“ユネス講”福井の酒のうまさがわかった!

 5月8日総会の後に、久しぶりに“ユネス講”が開催されました。今回は「日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り」がユネスコ無形文化遺産への提案がされており、今年の11月頃には政府間委員会において決定されることになっていることから、テーマを「日本酒」にして行いました。日本酒造組合中央会も令和4年に「日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保斬会」を設立して広報、啓発活動などを行っています。今回の講師には、常山酒造合資会社代表兼醸造責任者の常山晋平(39)さんにお願いしました。まず最初に、福井には酒蔵がいくつあるかとの質問があり、現在27蔵。50年前は60蔵以上あったらしい。かなり減っているようで日本酒は苦戦しているとみることができる。常山酒造の創業は1804年、約220年の歴史がある。福井市内では最古の酒蔵だそうで、酒の銘柄は主力銘柄「常山」、昔ながらの「羽二重正宗」である。福井の酒がおいしいのは次のデータをみればわかるように、福井県酒の辛口度は全国21番目で1番は千葉である。ほぼ真ん中あたりの辛口度である。味わいの特色としては淡麗・旨味。吟醸比率は7番目55.7%。いい酒が多いと思われる。吟醸比率1位は皆さんご存じの「獺祭」の製造元がある山口で89%。酒造好適米使用比率は全国2位で85.8%。1位は山口91.5%。精米歩合は3位52.2%と福井の酒蔵が高品質な酒造りをしている事がデータで読み取れます。また福井県では、特別栽培の新酒米「さかほまれ」と福井県独自の酵母による県の特色をだした地酒を各蔵でだしているので是非飲んでいただきたいとの事でした。

続いて「玄米」→「精米」→「洗米」→「蒸※」→「こうじ菌」→「酒母」→「もろみ」→「発酵」→「搾り」→「ろ過」→「火入れ」などの日本酒の製造過程を紹介し、この工程の中で玄米からこうじ菌作りまでは人の手による作業が登録要件の一つだとのことです。

 

 常山酒造でも「1,県産米100%。2,地域と連携し農業に貢献する。3,常山でしか醸せない個性ある純米酒を作る。」を基本理念に奥越や福井市美山の伊自良地区の農家さんにお願いして特別栽培による「美山錦」「山田錦」「五百万石」を栽培してもらい、福井県の自然や水の良さを表する言葉である「越山若水」をコンセプトに酒造りを行っているとのことです。ただ、農業従事者の年齢が高くて将来農業をやる人の少なくなる事を心配していました。最後に酒造りは米の状態も毎年変わるし、製造過程でも微妙な違いが出てくるので、毎年一年生のつもりでやっている。独りでも多くの人に福井県のお酒を知ってもらいたいと結ばれました。また「福井県産のお米に何かあったら」との質問には「そうですね。困りますね。」と苦笑いしながら答えてくれました。今、海外でも評価が高まっている日本酒ですが先を見通しながら、熱く情熱をもち、伝統的な製法や地元のお米を大切にしつつ、環境への配慮や地域社会との共生を考えた酒造りにまい進する常山代表の話は福井の地酒が飲みたくなるお話でした。

 

 また頂いた資料によると「伝統的酒造り」とは『①原料を処理するわざ②こうじを造るわざ③発酵を管理するわざ(もろみの状態を見極めながら、糖化と発酵を同時に進行させる発酵形式で平行複発酵という世界でも珍しい方法によって、水以外の物品を添加することなく目的とする酒の味や香りなどを表現します)』と説明されています。(記 真木康至・伊藤貴夫)

 

  



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